はじめに
フロムソフトウェアによって開発されたアクションRPG『エルデンリング(ELDEN RING)』
このゲームはフロムソフトウェアからストーリーについてあえて多くは語られておらず、
『エルデンリング』の世界観やキャラクターの詳細についてはゲーム内で得られる断片的な情報から考察するしかありません。そこがまたこのゲームの面白さでもあります。
とはいえ、ゲームの世界観を考察するのが苦手な方もいると思いますので、当ブログではキャラクターや世界観についての解説記事を投稿しています。
今回はDLC『Shadow of the Erdtree』に登場する「影の地」の人種「角人(つのびと)」についての解説です。
角人の背景
「角人」は「影の地」にある塔の街ベルラートを拠点とする人種のことを言います。
体に「角(つの)」が生えているのが特徴で、「坩堝(るつぼ)」を強く信仰しています。
『エルデンリング』における坩堝とは、「生命が混じり合った状態」のことを指し、坩堝は生命の原初であると言われています。
角人にとって「角」は坩堝の名残であり象徴であるとして神聖視しています。だからこそ、自分たちは選ばれた民なのだと信じているのです。
また、「神獣獅子舞」の記事でも言いましたが、天候の力を操る「神降ろし」という力を持った角人は「勇人」(はやと?ゆうと?いさひと?読みは不明です)と呼ばれており、角人の中でも選ばれし者とされています。
ところで「狭間の地」においても、角の生えた者がたびたび生まれてくるのですが、狭間の地では角が生えて生まれてくる子は「忌み子」と呼ばれており、穢れた存在として扱われています。彼らは拘束され角を全て折られた上で殺されたりとひどい仕打ちを受けており、王家の忌み子は角を折られはしないものの、地下深くに幽閉され、存在が無かったものとされています。
角人とメスメルの火
主人公が「モーグウィン王朝」にあるミケラの腕に触れて「影の地」に来ると、平原には沢山の墓標があります。道中の亡霊は嘆き苦しんでおり、過去に「女王マリカ」の命で「串刺し公メスメル」よる粛清が行われたことが伺えます。
このことは「メスメルの火」と呼ばれていて、これにより角人たちの多くが命を落とすこととなりました。
「影の地」に訪れたばかりの「褪せ人」は「女王マリカは酷い」と思うことでしょう。
粛清は確かに酷いものでありました。ただし粛清した「女王マリカ」にも理由はありますし、角人たちが「何もしていない」わけではないのです。
実は角人たちの間には恐ろしい因習がありました。それは坩堝を信仰するからこその因習です。
角人たちの考えは、「生命が入り混じればより良い進化を得た新たな生命が生まれる」というものであり、罪人の命は、清い命を混ぜることによって浄化され、「善き人」に生まれ変わるとされていました。そうして行われてきたのが、「壺の中に罪人の血肉を入れ、そこに巫女の血肉を混ぜることで善き人が生まれる」というものです。
要するに角人たちは罪人を包丁でバラバラに解体したものを壺に入れ、そこに「巫子の村」から攫ってきた巫女を同じく包丁で解体し、壺に入れて混ぜ混ぜしていたようです。
「女王マリカ」は神になる前は巫女であり、「巫子の村」が出身です。この角人の因習を憎んでいたからこその粛清だと考えられます。
角人にとってはただの習慣で、罪悪感もなくこの儀式が行われていたことが恐ろしいですね。
だからこそ角人からすれば、「女王マリカ」は裏切り者であり、自分たちは何もしていないのに粛清してきたと考えているのでしょう。
まとめ
「角人の老婆」や「神獣獅子舞」は好きですが、恐ろしい因習を持つ人種ですね。
憎しみが憎しみを呼ぶとはこういうことなんだなぁと、影の地のストーリーを読み解くと感じます。
当ブログでは他にも『エルデンリング』の世界観やキャラクターの解説を投稿しています。
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