はじめに
フロムソフトウェアによって開発されたアクションRPG『 エルデンリング( ELDEN RING)』
この ゲームはフロムソフトウェアからストーリーについてあえて多くは語られておらず、
『 エルデンリング』の世界観やキャラクターの詳細については ゲーム内で得られる断片的な情報から考察するしかありません。そこがまたこのゲームの面白さでもあります。
とはいえ、 ゲームの世界観を考察するのが苦手な方もいると思いますので、当ブログではキャラクターや世界観についての解説記事を投稿しています。
今回はDLCの『Shadow of the Erdtree』に登場する「大司祭、ユミル卿」についての解説です。※本記事はネタバレを含みます
大司祭、ユミル卿とは
「大司祭、ユミル卿」は、「マヌス・メテルの大教会」の玉座に座っている司祭です。
会話すると「心ばかりの贈り物」と称して「遺跡の地図」と「穴石のネックレス」を渡されます。
…お渡しした地図に記された場所に、神秘の遺跡があるといいます
その遺跡にあるという、吊り鐘を吹き鳴らすことができれば
その者の運命は、輝く星に導かれるのだと
…私はただ、助けになりたいのですよ
如何なるものであれ、何かのために戦う、すべての人のね
いえ、語らずとも分かります
貴方も、きっとそうなのでしょう?
ー大司祭、ユミル卿
いきなりの事なので少し困惑しますが、地図の場所を探して鐘を鳴らせばよいそうです。
一つ目の鐘を鳴らした後
…その後、鐘を鳴らして戻ってくると、
ユミル卿は「ユーリ」という名の小さな「ユビムシ」を抱いています。
ユミル卿は喜んでいるようで、「愛しき星屑」というタリスマンと、「遺跡の地図(二枚目)」を渡してきます。
地図に関しては、一切説明がありません。
また行けということなのでしょう。
そんななか、ユミル卿はこんなことを言ってきます。
…貴方も、目の当たりにしてきたのではないですか?
黄金樹の世の欺瞞、矛盾…人の愚かさと。塗炭の苦しみを
何故、これほどに救いがないのでしょうか?
…悲しいかな、その答えは明らかです
最初から、壊れていたのですよ。狂っていたのですよ
マリカが。彼女を導いた指たちが
私は、それをこそ憂います
人々が如何にもがこうとも、その根本が壊れていては
…何が、できようはずもありません
ー大司祭ユミル卿
ユミル卿は、世の中がおかしいのは「女王マリカ」や「二本指」が狂っているせいだと言っています。二本指やマリカへの不信を抱く人物は少なくありませんので、言わんとすることは分かります。
その後、祝福で休憩すると、ユミル卿はすぐ近くの墓地に移動しています。何やら独り言を言っているようです。
…ごめんね
しっかりと、産んであげられなくて
…まだ、母にはなれないけれど
それでも、私はずっと傍にいるわ
だから、今は安らかにお眠り…
ー大司祭、ユミル卿
どうやら、ユビムシの「ユーリ」がお亡くなりになったようです。
それにしても、「産んだ」のはユミル卿なのでしょうか。魔術の類でしょうか?
「まだ母にはなれない」とも言っており、謎が深まります。
とにかく、また地図を手掛かりに鐘を鳴らすしかなさそうです。
二つ目の鐘を鳴らした後
…二つ目の鐘も鳴らして帰ってくると、やはりユミル卿は喜んでいます。
「貴方が、輝ける星にならんことを」と言いながら「遺跡の地図(三枚目)」を渡してきます。
そして、このようなことも言ってきます。
…貴方に、お話したことがありましたね
マリカが、彼女を導いた指たちが、最初から壊れていたのだと
けれど、あれは真実ではありません
…真に壊れていたのは、狂っていたのは、母なのです
指たちは、その落とし子にすぎません。あれらもまた、哀れな被害者なのです
貴方は、母が必要だとは思いませんか?
壊れなど生まぬ、新しい、本当の母が
ー大司祭、ユミル卿
「母が狂っていた」「本当の母が必要」と言っているようですね。
「ユーリ」の墓地での独り言に続き、また「母」というワードが出ました。
一旦祝福で休憩し、地図の場所に向かおうとしますが、地図をよく見ると、この教会なのです。
ユミル卿は玉座から移動しており、その玉座を調べると、なんと地下空間が広がっています。
三つ目の鐘を鳴らした後
その先に遺跡があり、鐘を吹き鳴らすと、「指の母、メーテール」との戦闘が始まります。
「母って、これだったのかー!」と思いつつ、何とか倒して戻って聞くるとユミル卿の側近の「ヨラーン」が襲ってきます。
襲ってきたものはしょうがないから、それも倒すと、ユミル卿が「指の母、ユミル卿」として現れてこう言います。
…私の、輝ける星よ
母の力を、渡してください
見てください。私の指たちを
私は、本当の母になります
そして、母は一人だけでよいのです!
ー指の母、ユミル卿
どうやら、メーテールを倒した主人公が「母の力」を受け取ったと思い込んでいるようです。
とんでもない勘違いだと思うのですが、ユミル卿はユビムシを召喚して攻撃してきます。
…倒すしかないので倒します。
ユミル卿は最後にこう言い残します。
…ごめんね、ユーリ
貴方の母に、なりたかった…
ー指の母、ユミル卿
メーテールを倒そうとも指の母にはなれないのに、叶わぬ夢に終ったユミル卿でした。
自ら動くことはせず、すべて主人公に任せてきたあたり、同情しようがないです。
下記はユミル卿の頭装備のテキストです。
ー大司祭の帽子
大司祭、ユミル卿の帽子
頭上の真円は、大いなる意志
その暗黒の深淵を現しており
知力と神秘を高めるレラーナの魔術教授であった男は
だが、月への忠誠を棄てていたそれはただ、我らの近くにあったにすぎぬ
彼は「双月の騎士、レラーナ」の魔術教授だったのですね。
意外な繋がりではありますが、どこかの時点で「指の母」になる計画を抱いていたのでしょうね。
まとめ
ユミル卿の目的は、「指の母、メーテール」を倒し、「母の力」を奪い、自らが新たな「指の母」になることでした。なぜ、メーテールを倒せば力が手に入ると思うに至ったのは謎です。
いずれにせよ、ユミル卿自身もまた「狂っていた」のでしょう。
この先、余談 があるぞ
余談ですが、メーテールの考察でよくあるのが『「大いなる意志」→「指の母、メーテール」→「二本指」→「褪せ人」の順で言葉が伝えられるので、メーテールが壊れていることにより二本指が間違った情報を伝えている。つまりメーテールがすべての元凶だ。』というものですが、私はそうではないと考えています。
メーテールは「大いなる意志」の言葉を受信する能力は備わっていましたが、それを「二本指」に伝達していたというテキストは無いからです。メーテールは情報伝達の中継地点ではありません。
「二本指」はメーテールを介さなくても「大いなる意志」と通信が行えるはずです。
そうでなければ、DLCでメーテールを倒した後、本編の円卓にいる「二本指」に何らかの変化があってもおかしくないのですが、何の影響もありません。
そして、ユミル卿の言葉は信用なりません。彼は主人公にメーテールを倒してもらうために、すべての元凶がメーテールだと言っていたのです。
「メーテールは確かに壊れているが、すべての元凶というわけではない」というのが私の考察です。
…長々と申し訳ありません。つい熱くなってしまいました。
当ブログでは他にも『 エルデンリング』の世界観やキャラクターの解説を投稿しています。
是非、他の記事もご照覧あれ!